避難所に3日分の簡易トイレ備蓄を勧める理由
こんにちは。段ボール製トイレの通販、スタッフの服部です。
避難所でのトイレ問題について、今回は避難所を設営する方々へ向けてお話したいと思います!
目次
避難所運営のトイレ設置での困りごと
仮設トイレが届かない!
実は仮設トイレはすぐに来れないことが多いようです。
2011年の東日本大震災では3日以内に仮設トイレを避難所に用意できた自治体は34%。
★出典 東日本大震災3.11のトイレ
https://www.toilet.or.jp/toilet-guide/pdf/311.pdf
人間1日に何回もトイレに行くわけで、なんとも心許ない数字ですね。
その理由は『輸送トラブル』。
道路寸断、極度の交通渋滞で輸送車が避難所に向かえないことに因るものです。
阪神淡路大震災が起きた神戸市では高速道路が寸断された為、他都市からの災害用トイレが届かなかったそうです。(最短39日、最長622日)
★出典 神戸新聞
https://www.kobe-np.co.jp/rentoku/sinsai/graph/p4.shtml
各自治体では避難所の設営にあたりますので、仮設トイレの準備は進めておられるかと思います。
しかし、いざ大地震が起きてみたら、それを避難所にすぐに運ぶことは想像以上に難しいのかもしれません。災害直後には携帯トイレ・簡易トイレなどで凌ぐ必要があります。
設置したのに使えない!
汲み取り式仮設トイレはバキュームカーで排泄物の汲み取りが必要です。
実はこの問題は過去の災害でも問題になっており、仮設トイレのタンクは糞尿でいっぱいになったのに、バキュームカーが来ないので使用中止になってしまったことがあるそうです。
近年、し尿汲み取り式(ボットン便所)の地域は減少し、自治体が保有するバキュームカーも少なくなっているはずです。阪神淡路大震災当時の神戸では19台しかなく汲み取りが難航したとのことです。
★出典 避難所等におけるトイレ対策の手引き(兵庫県)
https://web.pref.hyogo.lg.jp/governor/documents/g_kaiken20140407_0402.pdf
仮設トイレは汲み取り不要な自己処理型もあります。
排泄物を処理分解してくれる自己処理型は理想ですが、
高額で汲み取り式の10倍以上もする為、汲み取り式を採用することが多いようです。
災害用トイレの種類についてはブログ下のまとめのすぐ上で紹介しています。
★参考 いろいろ!災害時のトイレを紹介!
3日分のトイレ備蓄のススメ
書いてきたように、災害直後は仮設トイレはすぐに届かない可能性が高いため、
別の方法で対応する必要があります。
その方法とはマンホールトイレや組立式簡易トイレなどがございます。
特に「段ボール製簡易トイレ」は避難所に備蓄しておくことが出来、仮設トイレが使えない時の補助にもなるためオススメです。
別で排泄処理セットを備蓄すれば段ボール製簡易トイレ」の中の処理セットが無くなってもトイレ本体を使い続けることがすることが可能です。
災害後3日まで生存率が高いと言われています。
衛生状態が悪化したことで寿命を縮めることがないよう、 まずは3日分のトイレを備蓄して生命を守りましょう。
避難所のトイレに行きたくない理由5つ
避難所のトイレを使いたくない理由
- 汚い
- 臭い
- 暗い
- 屋外で寒い
- プライバシーがない
トイレを我慢すると膀胱炎などのリスクが高まります。
トイレに行きたくないと食事や水分の摂取を控え、その結果、体力や免疫力が落ちて、感染症にかかりやすくなります。
インフルエンザやノロウィルスが避難所で流行してしまうことにも繋がります。
明るく清潔にして女性や子供が使いやすい工夫や移動が困難な高齢者や障害者のために、段差の解消や洋式トイレの採用が進むといいなと思います。
トイレにまつわるお金の話
いくら?トイレの設置費用
トイレの数と費用を算出しました
トイレの種類 | 購入 | レンタル |
---|---|---|
仮設トイレ(汲み取り式) | 1基20万 | レンタル月額3,000〜5,000円 |
仮設トイレ(バイオトイレ) | 1基200万 | レンタル35,000円〜45,000円 |
マンホールトイレ (テントなし) | 1基50,000円 | |
マンホールトイレ (テント付き) | 1基70,000円 | |
簡易トイレ (段ボール製) | 1基3,000円 | |
携帯トイレ | 1個700円 | |
処理セット (凝固剤+ビニール袋) | 100回分5,000円 |
当社調べ。平均的な価格です。仕様によって価格が異なります。
いくつ?必要なトイレの数
1日にひとり5回の使用
避難所ごとの収容予定人数をもとに算出してみてください。
- 仮設トイレ(短期の避難) 1基につき75人使用 避難者数÷75
- 仮設トイレ(長期の避難) 1基につき20人使用 避難者数÷20
- 簡易トイレ 戸数×3日分
- 携帯トイレ 避難者数×3日分
トイレの数と費用を算出してみました!
(収容人数は400人 収容戸数は100戸とする)
トイレの種類 | 必要数 | 費用 |
---|---|---|
仮設トイレ (短期の避難) | 5基 | 100万 |
仮設トイレ (長期の避難) | 20基 | 400万 |
簡易トイレ (段ボール製) | 300箱 | 90万 |
処理セット | 1200回分 | 6万円 |
3日分の段ボール製簡易トイレの購入費用
- 段ボールトイレなら・・・1箱3,000円程度
- お尻に優しい簡易トイレなら・・・1箱2,750円
防災用備蓄品として段ボール製簡易トイレと処理セットの備蓄は非常にオススメです。
災害直後、仮設トイレの補助、介護が必要な方の側に置くなど、簡単に利用出来ます。
また、段ボールの組立式の簡易トイレの本体は非常に丈夫です。
付属の処理セットがなくなっても、トイレ本体のみを使用することが可能です。
別で処理セットの備蓄があればより長く使用できます。
いろいろ!災害時のトイレを紹介!
価格 | メリット | デメリット | |
---|---|---|---|
仮設トイレ | 1基20万 レンタル:月額3000〜5000円 | 大人数で使用可能 繰り返し使える 耐久性がある 雨風に強い プライバシーを保てる 音漏れがない | 汲み取りが必要 臭い 汚れやすい 重い 設置が難しい 和式や段差ありで利用できない人がいる 寒い 暗い キャパオーバーの可能性あり |
バイオトイレ | 1基200万以上 レンタル:35,000円〜45,000円 | 臭く無い 衛生的 汲み取り不要 大人数で使用可能 繰り返し使える 耐久性がある 雨風に強い プライバシーが保てる 音漏れがない | 費用が高額 汚れやすい 重い 設置が難しい 電力が必要 寒い キャパオーバーの可能性あり |
マンホールトイレ | テントなし5万 テント付き7万円 | 設置が簡単 雨でも濡れない プライバシーを保てる 汲み取り不要 | 設置場所が限られる 倒れやすい(強風) 音が漏れる 寒い 暗い |
簡易トイレ | 1基2750円 | 組み立てが簡単 安価 保管が可能 軽い 持ち運びが用意 耐久性もそこそこ | 保管場所が必要 何個保有するかの判断が難しい 処理セットは買い足しが必要 プライバシーがない 排泄後の廃棄が必要 |
携帯トイレ | 700円 | 小さいので持ち歩き可能 災害時以外の緊急用にも利用可能 安価 | 便器が付いていない、または不安定 トイレやバケツにつけてつかうなどの工夫が必要 便器が壊れた時は、代替え品が必要(バケツなど) 廃棄が必要 廃棄用の入れ物が必要 |
処理セット | 凝固剤+ビニール袋 100回分で5000円~ | 収納場所をとらない 便器を活用して利用 簡易トイレと併用 | 便器がついてない 便器が壊れた時は代替え品が必要(バケツなど) 廃棄が必要 廃棄用の入れ物が必要 |
まとめ
災害後は道路状況が悪く仮設トイレがすぐ届かない
バキュームカー不足で仮設トイレが使用中止になる
トイレを我慢すると病気になる
状況に応じて対応できるようにトイレの手段は複数必要
3日を目安に簡易トイレの備蓄
記事を書いた人
服部綾子 梅花堂紙業株式会社
名古屋市出身 30代 夫と息子の三人暮らし。
仕事と育児のバランスが常に課題のワーキングマザー。
段ボール・梱包材の製造メーカーである梅花堂紙業株式会社に入社して13年目。 ネット通販事業部に所属し梱包材についてのアレコレをブログで紹介。
その傍ら、2019年より段ボール製防災グッズの社内プロジェクトに関わる。
現在”おしりにやさしい簡易トイレ”の広報を担当し、
災害時のトイレ備蓄の必要性や、簡易トイレの利用法に関する情報を発信している。
ぜひ使ってみてください!
自治体の皆様からのお申込みで、
1個プレゼント!
市町村役場様に、1個プレゼント。
組み立てやすさ、運びやすさ、座り心地、廃棄の方法まで
一度使って体験していただきたいと思います。
自治体の避難所には、一日でも早く揃えていただければと願っています。